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第一話:1.5年間でGoogleが教えてくれたこと

7月 25th, 2014|Comments are off for this post


海外への思いは、ずっと消えなかった

19歳の時に初めてニューヨークに旅行で訪れ、街や人のエネルギーレベルに刺激を受け、いつか海外で働きたいという漠然とした目標を持つようになりました。大学卒業後、新卒で楽天に入社し、3年間日本国内企業のクライアントを持つ営業職を経験しました。

楽天での3年間はとても濃厚で、本当に毎日があっという間に過ぎていきました。仕事自体は楽しくて充実していましたが、「海外」というテーマが自分のなかで消えなかったため、どうしたら自分の理想の姿に近づけるかを考えていた矢先、Googleの営業ポジションへのオファーをもらい、転職することになりました。

グローバルスタンダードを体感できた

私がGoogleに勤務したのは1.5年と非常に短かったですし、実際の職務は国内クライアントの営業担当でしたが、日本にいながらも欧米式のビジネスカルチャーを体感できたことは私にとって大きなアセットになりましたし、何よりアメリカに来る前にGoogleに勤めていて良かったなと思うことが多々あります。今でも活きている、Googleが教えてくれたことは大きく4つです。


1. 誰も教えてくれない
Googleほど大きな企業でも、誰かが「教えてくれる」というカルチャーはなかったように思います。一般的に日本企業だと、研修やトレーニングがあって、先輩社員がメンターとして就いてくれて、といった手厚いサポートがある場合が多いと思いますが、Googleでは教えてくれる人や、何かあっても叱ってくれる人がいないので、受け身の姿勢でいると何も事が進みません。助けやアドバイスが必要な場合は自分から出向いて動かす、セルフスターターであることが求められる点は、スタートアップであれば共通して言えることだと思います。


2. 自分の功績をアピールする
Googleで私が苦手に感じたのが 、毎期末に行う “Perf” と呼ばれる自己評価でした。日本企業では上司からの一方的な評価が業績評価になると思いますが、Googleでは自分の功績を数字をもって「こんなことを、こんなに頑張った!チームにこれだけ貢献した」とレポートすることが求められるため、自己アピールが苦手で典型的な日本人の私は、どこか気が引けてしまい、最初はすごく戸惑いました。

Perf 以外にも、Googleではメンバーやチームの功績を「褒める」メールが頻繁に送られていました。周りのメンバーは自分が思っているよりも、自分が何をしているのか知らないものだとそこで学びました。こういったメールを普段から送り、周囲のチームメンバーにプレゼンスをアピールすることは、褒められる本人にとってもちろんモチベーションになりますし、周りのメンバーにとっても良い刺激になると思います。

こういった習慣は現職でも活きていて、今度は私が「A社とのパートナーシップが開始したよ!」「チームメンバーがこんなに頑張ってくれたよ」といった内容を社内のグループメールで社員に対してアピールする立場になり、チームの存在を知ってもらうようにしています。


3. 発言しない = YES
これはGoogleに限った事ではないかもしれませんが、特に外国人の上司やチームの場合、自分から自発的にコミュニケーションをとらない限り「YES=異議なし」とみなされます。相手から進捗をチェックしてきてくれるわけでもないので、自分から常にコミュニケーションをはかり、発言をする必要があることを学びました。

特にグローバルのチームと仕事をすると、複数国が一緒に動いているので、自分が情報をきちんと消化していないといつの間にか思わぬ方向に事が進んでいた、ということがありました。現在の会社がスタートアップでフラットな組織であり、ものすごい早さで事が進んでいくので、積極的に発言して意思表示をしておくことは、万が一トラブルの際のリスクヘッジにもなると思います。


4. 世界レベルの優秀な人たちと働くことの刺激
やはりGoogleで働くことの一番の醍醐味は、そこで働く、世界レベルで優秀で才能ある社員と働けることだと思います。そういった環境に自分の身を置くことで毎日良い刺激を受け、自分がより高いところを目指そうと思えるモチベーションになりました。優秀なチームと共に、世界レベルのプロダクトを世に送り出すプロセスに関われたことは、今の自分の仕事観や今後自分が目指すキャリアパスに大きく影響を与えたと思います。

会社が機会をくれるのを待つのではなく、自分から動く

そんな貴重な経験をGoogleはさせてくれたわけなのですが、どうしても「海外」というテーマは自分のなかで消えずにいました。社内の異動を通して海外へ行くことも模索しましたが、なかなか自分の希望する職種やロケーションに就くことは難しく、このまま時間だけが過ぎていくような気がしました。

それであれば会社が機会をくれるのを待つよりも、自分から動いて叶えたほうが早いのではないかと思い、2012年の夏にGoogleを辞め、アメリカへ移りました。当時、Googleを辞めることは、自分にとっての新たな挑戦でもありました。

Googleという看板を外したとき、自分の実力はどれほどのものなのか、ex-Googler(Gooogle卒業生)として社会に出てその周囲の期待値を上回ることができるのか。ほぼ人脈ゼロでアメリカに拠点を移したことは、私の人生においても大きなターニングポイントになりました。

でも、今振り返ってみても、本当にこの決断をして良かったと心の底から思います。次回はその後アメリカに渡ってからのお話です。


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宜保 陽子(ぎぼ ようこ)
上智大学法学部を卒業後、楽天に新卒で入社し、楽天市場に出店する企業の営業担当として3年間勤務。そのあとグーグルに転職し、グーグルプロダクトを使った広告営業に従事。アメリカで働くという目標を捨てきれず、2012年夏にグーグルを退職し、渡米。1年間NY市内の大学でビジネスを勉強したあと、NYのヘルスケア系スタートアップNoom Inc.(ヌーム)に採用され、「テクノロジーを使って日本人の生活をさらにヘルシーなものにする」というミッションを掲げ、Noom Japanの責任者として東京とNY本社を行き来する、エキサイティングな毎日を送る。

Facebook: https://www.facebook.com/yoko.gibons

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