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第二回女性100名山P 吉田穂波さん講演会「自分の才能を200%輝かせたい女性のために」開催レポート

3月 17th, 2016|Comments are off for this post


去る3月5日(土)、認定NPO法人JKSK(女性の活力を社会の活力に)女性100名山プロジェクト主催、なでしこVoice共催で、産婦人科医の吉田穂波さんの講演会を開催しました。

ドイツ・イギリス・日本での医療機関勤務後に3人の子育てをしながらハーバード大学に留学。その間に第4子を出産され、修了後は少子化研究に従事するとともに、東日本大震災では産婦人科医として妊産婦と乳幼児のケアを支援する活動にも取り組まれた吉田さん。

圧倒されるほどパワフルなご経歴をお持ちですが、常に周囲の助けがあったからこそ乗り越えられたと力強く語られました。講演会の満足度は、なんと100%! 吉田さんの姿に、多くの参加者が学びと刺激を得た素晴らしい会となりました。以下、当日レポートをお届けします!

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時間は命そのもの

24歳で聖路加国際病院の研修医となった吉田さんは、毎日亡くなっていく患者さんを目の当たりにして、「人はいつか亡くなる」ということを骨身に沁みて感じたといいます。時間は命そのもの、ギフトであり、人はいつ死ぬのかわからないならば、一つひとつの笑顔、笑いを大切にすることが何より大事だと強く感じたそうです。また、産婦人科医として早くに子どもを産むことの良さを知り、結婚後は5人のお子さんを産み、育てられています。

ネガティブな気持ちこそがエネルギーになる

30歳の時、ドイツで研修医をしていた吉田さんは第一子を出産されました。その後、3人目までは子育てをしながら産婦人科医として働き続けていましたが、どんなに頑張ったとしても、長時間の診療ができないなどの時間的制約があるという理由で、周囲から「やる気がない」と思われているように感じたそう。

「なぜこんなに頑張っているのに認めてもらえないのか」という思いが募り、自分をもう一段レベルアップさせたいと、留学を決意されます。一見、「悔しさ」「憤り」というネガティブな感情は悪いもののように思われますが、実はこのように何かを推進する原動力にもなりうるのだと語られました。

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時間がないからなんでもできる!

留学時代は、子どもたちの存在に救われたという吉田さん。大学院で周囲の優秀さに圧倒されるとともに、自身の出来なさに打ちひしがれていた中、家に帰れば子どもたちが無条件に母親として必要とし、慕ってくれることは何よりの救いとなったそう。

子どもや家庭を持つと、もちろん色んなことに時間が取られますが、それによって自分の器が強制的に広げられたため、すごく良かったと語られました。この気づきが、著書『時間がないからなんでもできる!(サンマーク出版)』の出版へと繋がりました。

受援力の大切さ

吉田さんは、子どもたちの行動から「困った時は人に助けを頼めること」「好意を素直に受け取ること」「喜び上手になること」「感謝の気持ちを表すこと」を学び、加えて、『7つの習慣」(スティーブン・コヴィー著)の中に登場する「時間管理のマトリックス」にも心打たれ、それらが今の生き方、在り方に大きく影響を与えているといいます。

時間管理のマトリックスとは、緊急で重要な仕事は、大抵他人に任せられるものである一方、緊急でないが重要な仕事は、自分がやることによって、社会に大きなインパクトを与えられるものである、という考え方。より後者の仕事に時間を割くことを吉田さんは勧められ、そのためには、自分以外の人でもできる仕事であれば、他人に頼って任せる「受援力」が必要だと語られました。

ここで、参加者の方々は自分がもっと力を注ぎたいと思っていることについて考えるペアワークを実施し、自分の中でエネルギーを消耗させることも生み出すことも出来るということを体験しました。

留学から帰国後、東日本大震災が起こり、被災地で困っている妊婦さんを助けたいという思いで活動を始めた吉田さん。多様なステークホルダーと連携して様々な業務を行うには、もっと周囲に任せる姿勢が必要だったそうですが、当時はそれができず、「結局何も出来ていない」と無力感を抱き、バーンアウト状態になったこともあったそう。

その際、「これまでそれなりにタフに生きてきた自分でも抱え込んでしまうのであれば、周囲の人にはもっとそういう人が多いのではないか。周囲に頼れずに人々が孤立する社会を変えたい」という思いが生まれ、「受援力」を提唱するに至ります。

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頼るのは難しい、でも頼られるのは嬉しい

ここまでお話していただいた後は、参加者の方々と受援力を高めるペアワークを実施しました。まずは過去、人に頼ったり頼られたりした経験を振り返り、自分の中に眠っている「受援力」を思い出しました。

また、隣り合う人に、今自分が誰かにやってもらいたいと思っていることを頼み、頼む側・頼まれる側でそれぞれ感じたことをシェアしました。私が一番感銘を受けたのは、「頼るのは難しいと思っていても、頼られると人は嬉しいものであり、助けを求めることは、実は相手に対する最大の承認である」ということでした。

人に助けを求める時には「他人に迷惑をかけている自分はだめだ」と考えるのではなく、「誰かの人の役に立ちたいという気持ちを引き出して、自信を与えている良い自分なのだ」と思うことが大事だと吉田さんが語られると、会場は深い学びの空気に包まれました。

最後に

今回の講演会では、吉田さんが「受援力」を提唱するに至るまでの経緯を、実体験に即して丁寧に語って下さいました。また、ペアワークや休憩時間の会話を通じて参加者同士の交流も一層深まった様子で、講演会終了後も会場は穏やかな熱気に包まれました。

今回、私自身も目指したい将来像に向けてどのように考えて進めるべきか、改めて大事なポイントが整理でき、また何よりも勇気をいただき、素晴らしい機会となりました。
吉田さん、ご参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました!次回の開催もどうぞお楽しみに!

(執筆:角掛 由加里)