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佐藤典子さん

濱田 真里
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専門学校を卒業後、京都、滋賀、神奈川の美容院に勤務する。カンボジアの淡水魚を研究する現在の夫と出会い、はじめてカンボジアを知る。2009年、現地で淡水魚の研究をするという夫の夢を叶えるべく、夫婦でのカンボジア移住を決意。現在はシェムリアップにて、美容室とクレープ屋という二束のわらじでカンボジア生活を満喫中。

「キャリアの面でも生活の面でもカンボジアに来て良かった」

濱田:典子さんがカンボジアに来られたきっかけは何ですか?

佐藤:魚好きの夫がカンボジアの淡水魚を研究していて、その研究のためにカンボジアに来たんですよ。彼が日本で水族館に勤めていた頃、調査でカンボジアに来たことがあったらしいんですね。その時にカンボジアにハマっちゃって、ゆくゆくはカンボジアに住むと夫は決めていたらしいです。だから私の場合、カンボジアが好きで来たとかそういうわけじゃなくて、夫に連れられて(笑)。彼と出会うまでは海外に行ったことなんてありませんでした。

濱田:ということは初めての海外がカンボジアですか?

佐藤:そうです。移住する前に夫に連れられて2、3回カンボジアに来たことはあるんですけど、それが初海外ですね。でも、初めて来た時からこのガヤガヤした感じは嫌いじゃなくて、「ここなら住める」と思ったんです。だから、移住することにほとんど迷いはなかったですね。私は多分どこでもやっていける人間なんじゃないかな。たぶん、美容師をしていたので「この技術を使えばどこででもやっていける」と思っていたからでしょうね。

濱田:でも、日本でのキャリアを失うことに不安はなかったんですか?

佐藤:それはありましたね。今でもたまに「続けていたら店長くらいにはなっていたかも・・・」なんて思うこともあります(笑)。でも、キャリアの面でも生活の面でもカンボジアに来て良かったと思っています。仕事も生活も周りを気にせず好きなようにできるから楽なんですよね。日本にいる時は忙しすぎてやりたいことの半分もできない生活でしたけど、カンボジアでは「自分の美容室をこうしたい、こうしていきたい」という強い思いを持って仕事ができるからすごく楽しいです。

濱田:それにしても、旦那さんのロマンを理解して一緒にカンボジアに移住するなんて、典子さん本当に素敵です。

佐藤:「いい奥さんでしょう」って夫に冗談で言ったりします(笑)。でも、ストイックに魚の研究に打ち込む夫のことはとても尊敬しているし、その姿を見ていると「私も頑張ろう!」って思えるんですよね。あとは、カンボジアで自分の夢だった美容室を開くことができたり、私自身がやりたかったことをやっているからすごく楽しいです。

「明確な目的を持っていないと、何かはじめても続かない」

  
            
濱田:カンボジアではどんな毎日を過ごされているんですか?

佐藤:昼間は美容室をやっていて、夜はナイトマーケットでクレープ屋を夫と二人で経営しています。移住すると決めた時、どうやって生計を立てていくのかということをお互いの家族に示さなきゃいけなかったから、とりあえず二人でお店をやると決めたんですね。それで移住する前に一度下見に来て、たまたまナイトマーケットに良い物件が見つかったから、私たち二人が大好きなクレープのお店をやろうと決めました。美容室とクレープ屋を両方やるというのは大変ですけど、今はそのくらいしないと生活していけないかな。

濱田:ちなみに美容室をやるというのはカンボジアに来ると決めた時から考えていらっしゃったんですか?

佐藤:考えていましたね。「どんな形であれ、美容室はやる」って。

濱田:カンボジアで美容室をしていて、ここが大変とかこれが楽しい!と思うことはありますか?

佐藤:大変なのは断水、停電があることですね。でもそれ以外は日本とほとんど変わらないかな。楽しいと思うのは、最初から最後まで一人のお客さんを担当できること。日本にいた時は忙しい店だったので1人で全部やるっていうのはむずかしいけど、こっちでは一人ひとり丁寧に接客できて、リラックスできる空間を提供できるのが楽しいです。あとカンボジアで働いていて思うのは、良い出会いに恵まれているということですね。お客さんの中心はカンボジアにいる日本人の方なんですけど、日本にいたら一生出会うことのないような人ばかりで、本当に色んなことを学ばさせてもらっています。

濱田:カンボジアで暮らされている日本人の方って本当に素敵な方が多いですもんね。

佐藤:そうですね。みんなちゃんと目的を持って、カンボジアに貢献している方ばかり。そういう人たちと出会って、「私もしっかり目的を持ってやろう」と思うようになりました。こっちに住んでいると、「カンボジアで何かやりたい!」と思って来ている日本人に結構会うんですね。でも、明確な目的を持っていない人は、カンボジアに来ても結局何も見つけられなかったり、何かはじめても続かなかったりして、日本に帰ってしまうんですよ。だから目的を持つことって大切。逆に目的を持っている人にとって、カンボジアはすごく良い環境だと思いますよ。

「海外にいても日本にいても、自分のやりたいことや目的を持って生きることが大切」

                                        
濱田:典子さんは今後もしばらくはカンボジアにいらっしゃる予定ですか?

佐藤:そうですね。何も起こらない限り、ずっとカンボジアにいたいと思っています。それで将来はカンボジアの美容師さんたちに、カンボジアにはない技術を伝えて、美容室の水準を上げられたらな、と思っています。今は自分たちのことで精一杯だけど、私の中では実現したいビジョンというのが明確にあるんですね。だからそれを実現するために、今は現地の美容室に顔を出して、カンボジアの美容師さんたちがどんなカットをしているのか見に行ったり、自分にできることをこつこつしています。私はこの国に住まわせてもらっている人間なので、日本人ならではの技術や考えを少しでも伝えて、カンボジアに貢献していければいいなと思います。

濱田:最後に、日本の若者に向けてメッセージをお願いします。

佐藤:海外にいても日本にいても、自分のやりたいことや目的を持って生きることが大事だと思います。私は海外で働くということを目標にしてきたわけじゃないけど、「あれをやってみたい、こう過ごしてみたい」と思いながらカンボジアで生活しているので、今すごく楽しいです。だから、強い意志を持っている人なら海外ではとても楽しい生活ができると思います。日本を出るのはすごく不安だと思うし、実際に大変なことも多いけど、身体が丈夫ならどこでもやっていけるということは私が身を持って実感しています。だから、何か明確な目的があるなら怖がらずに日本を飛び出しても大丈夫。頑張ってください!


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1 Comment

  1. アバター
    kazu 2013年8月7日

    プノンペン在住の者です。カンボジアの美容業界について調べていたところ、このWebを見つけました。
    「海外にいても日本にいても、自分のやりたいことや目的を持って生きることが大切」。んー、耳が痛いです。シェムリアップに次回出張した時に、ぜひ一度寄らせて頂きます。

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