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許斐理恵さん

濱田 真里
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オーストラリアの大学を卒業後、タイのバンコクで商社に勤務する。現在2年目。

「留年したって内定がなくたって、それで人生決まるわけじゃない」

濱田:許斐さんがタイでお仕事をされるようになったきっかけを教えてください。

許斐:オーストラリアの大学を卒業した後、タイで会社を経営している親友のお父さんにお仕事の話をいただいたのがきっかけです。私は日本で働きたかったので断ろうと思っていたんですが、両親や友人と話すうちに少しずつ考えが変わって、最終的にはタイで働くことを選びました。

濱田:考えが変わったというのは、具体的にどんな変化だったんですか?

許斐:「今しか出来ないことをしよう」と思ったんです。私は日本人だから日本に帰ろうと思ったらいつでも帰れるじゃないですか。だったら今しか出来ないタイでの仕事をやってみようって。私はきっかけがあったり、誰かに背中を押されたりしないとなかなか動けない性格で。だから今ここで何の目的も持たずに日本で働きはじめたら、一生日本で過ごすのだろうというイメージが見えてしまったんですよね。

濱田:チャンスを活かすって大切ですよね。日本では「今しか出来ないことがしたい」と思っていても、それを実際に行動に移すことができる人はすごく少ないと思います。

許斐:それが悪いというわけではないけれど、日本人は道から外れることに対して必要以上にストレスを感じてしまう傾向はあると思います。だから1年留年したり、内定がないというだけで「自分の人生に先がない」と感じてしまう人が多いのかもしれません。でも、そんな風に感じる必要なんてないんですよ。留年したって内定がなくたって、それであなたの人生は決まらないよって、みんなに伝えたいですね。逆に大きくてお給料が良い会社に入っても、そこで働くことに目的がなかったら面白くないと思います。それよりも時間をかけてやりたいことを見つけている人の方が、本当にパッションとパワーがあって、自分の人生を生きている感じがするじゃないですか。

「『これだ!』と思えるものが見つかっていないなら、見つける過程を楽しめばいい」

濱田:今タイで働かれている中で、「こんな風に生きていきたい」というようなビジョンはありますか?

許斐:実は今、タイに来てちょうど2年目というタイミングで、これからの人生の方向を模索している真っ最中。人生の分岐点に立っているんです、私(笑)。今の会社は小さいながらも色々なことをさせてもらえる機会があってすごく楽しいんですが、他の国で新しいチャレンジをしたり、日本に帰って新しい会社で働いてみるというのもありだと思うんですね。大学に入り直して、改めてビジネスを学びたいという思いもありますし。今の会社で仕事をしていて、気付きもたくさんあるんですが、「私は人生これで生きていく!」と言えるようなものにはまだ出会えていないんです。でも、そうやって悩んだり模索するのってすごく大事だと思います。早い段階で「私はこれで生きていく!」というものに出会って、一つの迷いも、曇りもなくその道を歩む人もいますけど、それが唯一の道ではないと思うんです。自分の道が分からない人はとことん悩んで、自分のペースで自分の道を見つけていくのも一つの道だと思っています。

濱田:自分のペースで自分の道を見つけていくという考えは、悩んでいる人たちにとってすごく勇気を与えてくれるものだと思います。

許斐:「これだ!」というものを最初から持っている人もいるけれど、そういう人は稀だし、ラッキーだと思います。でも見つかっていないなら、見つける過程を楽しんでいけばいいんですよね。もうやりたいものがある人はその道を進むだけかもしれないけど、そうじゃない人は色々チャレンジ出来るし、その分可能性もたくさんあるのだと思います。そういう意味では敢えて早い段階で「これだ!」と思うものを絞らなくてもいいのかもしれないですね。
 私もこれまでずっと考え続けながら生きてきたんですよね。「これだ!」というものが見つかっていないからこそ考えて悩んできたし、今の自分があると思っています。だから私、「運命」という言葉で全てを片付けたくないんですよ。自分で考えた結果、今の自分があると思うので。

「英語が喋れなくても、経験がなくても、海外へ出てみよう」

濱田:許斐さんにとって、海外で生活をする醍醐味は何ですか?

許斐:やっぱりこれまで触れてこなかった文化や価値観に触れて、視野が広がることだと思います。海外に出て、今まで知らなかった部分を知るだけで、考え方って随分変わりますよね。

濱田:私も海外に出て視野が広がって、考え方や価値観がガラッと変わりました。

許斐:日本は島国で、みんな同じ感覚や価値観の中で話しをするから、1を言えば大体5くらいまでは分かり合える社会じゃないですか。でも、海外では言語や文化の壁があるから、1を言ったらマイナスになることもあるんですね。そういう違いにチャレンジすることが楽しいと思える人にとっては、海外で生活をするというのはとても合っていると思います。海外で暮らすには、何でも受け入れるという覚悟が必要なのかもしれません。

濱田:最後になりますが、日本の若者に向けてメッセージをお願いします。

許斐:「海外で働いている人」というと、「自分とは世界が違う人」と思ってしまう人もいるかもしれませんが、みんなと同じ一個人、一日本人なんですね。もし海外に興味があるとしても、初めから「海外に住む、働く」と考えなくてもいいと思います。自分は英語が喋れないとか、海外での経験がないからと身構えないで、是非一度海外に出てみてください。私、日本人は素晴らしい民族だと思うんです。他の民族は自己主張が強い中、日本人は相手に合わせながら自分の考えを伝えられるという素晴らしい文化を持っています。だから必要以上にへりくだって一歩下がってしまったり、言葉や文化が分からないという理由で日本に踏み止まってしまったらすごくもったいない。文化や言葉が分からなくても現地を知ろうという気持ちさえあれば、日本人は通用すると思うので、日本の女の子たち、頑張りましょう!


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