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宮田さりさん

濱田 真里
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付き合って半年で結婚し、マレーシアに移住して12年目

濱田:高校を卒業してすぐ、アメリカの大学に進学されたと伺いました。

宮田:はい。カリフォルニアのサンフランシスコにある大学に進学しました。高校が進学校だったのですが、センター試験に向けた詰め込み式の勉強が合わず、海外に行こうと思ったんです。アートの勉強がしたくてアメリカを選びました。でも、実際に入った大学はビジネス系の方が強くて。他の大学に編入をしたのですが、そこで出会ったのが今のマレーシア人の夫です。卒業間際に付き合い始めて、半年後には結婚しました。

濱田:たった半年で決断されたのですね!

宮田:まさかこんなに早く結婚するとは思ってもいませんでした。当時アメリカは就職難で、大学卒業後にインターンも経験したのですが、VISAがもらえず。そこでお互い国に帰ることになったものの、私に遠距離恋愛は無理だと思っていました。すると叔母から「婚約すればいいんじゃない?」と言われて、「なるほど」と。その言葉に後押しされて婚約をして帰国し、マレーシアへのVISA申請や結婚証明書の取得など、手続き関連を終えてマレーシアに渡航しようと決めました。

その間、私は正社員として日本のアパレル企業でwebデザインの仕事をして待つことに。すると、予定していたよりも早い半年後にマレーシアVISAがおりたので、すぐに仕事を辞めてマレーシアに移住しました。

国籍は違うけれども、一緒の国で過ごしたいという気持ちが強かった

濱田:宮田さんは結婚願望が強かったのでしょうか?

宮田:特に結婚願望が強かったわけではなく、むしろ働きたいと思っていました。大学まで進学させてもらって、アートも興味があったので。でも、マレーシアに来てからはずっと専業主婦ですね。結婚した1年後に第一子が生まれたんです。その翌年には第二子を出産しました。正直、家の外に出て活動を始めたのはここ2年くらいですね。子どもが小さかったので、家で過ごす時間が多くて。マレーシアは子どもをひとりで歩かせるにはまだ危ないので、どこかに行く時は必ず送り迎えをしています。現在子どもは9歳と11歳になりましたが、今も送り迎えはしていますね。

私は昔から、ふたつの人生プランを考えていました。ひとつ目が、早く出産して子育てが落ち着いてから自分のやりたいことを再開。ふたつ目が、仕事を頑張ってキャリアを積んでから結婚。今の夫と出会って、国籍は違うけれども一緒の国で過ごしたいという気持ちが強かったので、マレーシアで今の生き方を選択するに至りました。でも、最終的には直感ですよね。あれこれ考えてもしょうがない。心の中にある、「今はこれをやらなければいけないのだろうな」という気持ちに従うことを大事にしています。

アレーシアには、お母さんが誰かに助けを求めやすい環境が整っている

濱田:マレーシアで子育てをされることのメリットを教えて下さい。

宮田:お母さんが誰かに助けを求めやすい環境が整っていると思います。家族はもちろん、ベビーシッターさんも気軽に雇えますし、レストランに行っても子ども用の椅子がたくさん置いてあります。建物の作りも、子連れでも歩きやすいような広さや工夫がされていることも。以前日本に同窓会で帰国した際に、子どもを連れて参加しようとしたらレストランから断られて驚きました。夜の9時頃に電車に乗った際も、子どもと日本語で話をしていると「こんなに遅い時間まで出歩かせて……」と言わんばかりの目で見られたりしたのですが、英語で話をしていると急に無関心になる。日本はまだ子連れに厳しいように感じた出来事でしたね。

濱田:たとえば、日本では例えばお母さんが子どもを誰かに預けて、お父さんと一緒に記念日のディナーに行くことを批判するような風潮もまだまだあります。

宮田:それは大変ですね。私は義理の両親がいるので、よく助けてもらっていますよ。向こうから「晩ご飯を食べに子どもを連れておいで」と電話がかかってきたり、子どもたちをお泊まりさせてもらうことも。普段、お母さんもお父さんもたくさんのことを抱えているので、そういう息抜きの時間も大事ですよね。日本ではお母さんがパーフェクトであることを求められすぎているように感じます。

濱田:マレーシアで育つお子さんを見ていて何か思うことはありますか?

宮田:子どもたちを見ていると、誰に対しても物怖じしないんです。私にはできないことなので、すごいなと思いますね。きっと小さい頃から色々な人種や宗教の人たちがいる学校に通っているからではないでしょうか。私は日本で育ったので、周りは日本人だけという環境でしたが、マレーシアは3つの人種がいて、アジアや中東など、他の国からの移民も多い。生まれながらにインターナショナルな環境に育つと、人は違うことに対してあまり偏見を持たないのではないかなと思います。


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