LOADING

Type to search

伊藤聖子さん(左)と佐藤曜子さん(右)

アバター
Share

なでしこVoiceの初現地インタビュイーになって下さった伊藤先生と佐藤先生。お二人ともマレーシアで日本語教師をされ、佐藤先生は現地のマレーシア人の旦那さんとの間にお子さんもいらっしゃる。そんなお二人に日本語教師になるまでの経験や日本語教師の魅力について語って頂いた。

「今考えると自分でも分からないけど、やっぱり直感かな」

濱田:お二人が日本語学校の先生になった経緯をお聞きしたいのですが、まずは伊藤先生のきっかけを教えてください。

伊藤:私は初めから日本語の先生になろうと思っていたわけではないんだよね。でも友達の影響で、なんとなく海外に興味を持ち始めたのね。編集の仕事をしていたけど、一度くらいは海外に出てみたいという気持ちが段々強くなって。それで23、4歳の時にワーキングホリデーの制度を利用して、カナダに1年ほど暮らしました。初めての海外生活で色んな出会いや経験があったけど、その時は日本語教師のことなんて全然知らなかった。

濱田:その経験がどのように、日本語学校の先生という職業につながったんですか?

伊藤:語学学校に通ったり、アルバイトをしたり、海外での生活が楽しかったんですよね。当時は仕事をしてお金が貯まったら海外に行って、お金がなくなったらまた日本に戻って仕事をして、っていう人が結構多くて、そういう生活もいいかなぁ、と。それで日本に帰国して働いたんだけど、ちょうど土日が空いていたから、その時に日本語のボランティアをやったのね。

濱田:きっかけはそこだったんですね!でもどうして日本語のボランティアをしようと思われたんですか?

伊藤:市が募集していたのを偶然見つけたから。私もカナダではボランティアに英語を教えてもらっていたから、今度は逆に教えるのもいいかな、と軽い気持ちで始めたんだよね。でもやってみたら思いの外難しくて、折角教えるなら少し勉強した方がいいと思って、日本語を教えるための養成講座に入ったんだ。

濱田:なるほど。ところで佐藤先生はもともと日本語学校の先生を目指していたんですか?

佐藤:私も初めから日本語学校の先生になろうと思っていたわけじゃないんだよね。きっかけは大学3年生の時に中学時代の塾の英語の先生にたまたま再会したこと。再会した時その先生は英語の塾を辞めていて、日本語学校の事務の仕事を始めていたのね。それで「文学部なら日本語の先生やらない?」って誘われて。でも私は哲学科だったから「残念ね」で終わったんだけど、その後気になって調べてみたのね。そしたらやっぱり哲学科出身だと厳しいというのが分かって、専門学校に入ったの。ダブルスクールだね。あんまり大したきっかけなんてないんだよ。不思議だね。

濱田:哲学を専攻されていた方が日本語の先生になるというのは、なんだか一段ぽーんと飛んでいるように見えてしまうのですが・・・。

佐藤:今から無理やり考えれば、父の影響はあったかも。父はエンジニアでシンガポールとかフィリピンによく行っていて、海外の写真をお土産で見せてもらったことがあって。それが外国に興味を持ったきっかけだったのかも。でもそのこともずっと忘れていたし、それまで日本語の先生になろうと思ったことなんてなかったから、今考えると自分でもよく分からない(笑)。やっぱり直感かな。ピピッと。先生に再会した後、ローンを組んですぐに専門学校に入ったからね。

「やりたいこと、好きなことを選んでいったら辿り着いた」

濱田:ピピッとってすごいですね!その後、大学を卒業されてすぐに日本語の先生になられたんですか?

佐藤:そうだね。大学を卒業する前に、私の中学校時代の先生が働いていた日本語学校で欠員が出て、先生を募集していたのね。だからすぐに履歴書を送って、採用されて、大学を卒業する前からそこで働いていました。

濱田:佐藤先生は決断が早いですね!ちなみに悩んだりされることはないんですか?

佐藤:ないね!どうでもいいことには悩んだりするけど、大事なことは勝手に相談せずに決めちゃうタイプかな。でも、伊藤先生はちゃんと考えて、悩んで苦労しているんだね。なんだか反省しちゃった(笑)。

伊藤:そんなことないよ、私も同じだと思う。その時その時の自分のやりたいことをやっているし、やりたいと思ったことはやらないと気がすまない。日本語学校の先生はもちろん、編集の仕事も海外に行ったのもそう。

濱田:お二人ともその時その時の自分の気持ちを大切にされているんですね。ちなみに佐藤先生は大学を卒業されてずっと日本語学校の先生の道を歩まれているということですよね?日本語教師の仕事は天職だと思いますか?

佐藤:うーん、そうだね!

濱田:先生すごくいい顔されています!本当にこの仕事が好きなんですね。そうやって心から「好きだ!」と思える仕事はどうやったら選べるんでしょうか・・・?

佐藤:選んだり悩んだりするんじゃなくて、ピピッて(笑)。私の場合、やりたいこととか、好きなことを選んでいったらいつの間に辿り着いていた。でも実は私、マレーシアの学校で1年働いてこの仕事が嫌になって、1度辞めた時期があるんですよ。

「ずっと完成しないからこそ、続けているのかも」

濱田:そうなんですか?!そこのところ、詳しくお聞きしたいです。

佐藤:大学を卒業して2年くらい日本の日本語学校で働いたのね。その頃私は結婚が決まっていたんだけど、結婚する前に1年くらい海外で日本語を教えたかったんだよね。それで当時日本語学校で教えていて、マレーシアの学生が一番かわいくて好きだったから、マレーシアの日本語学校で働こうと思って。でも実際に1年半マレーシアで働いてみて、なんだか日本語教師って嫌だな、と思って、日本に帰って派遣の仕事をしていたんだ。

濱田:実際に働いて「嫌だ」って思われたのはどうしてですか?

佐藤:その時はペナンの私立学校で教えていたんだけど、やっぱりマレーシア人と日本人とは習慣が違うじゃない?例えば日本人は言わないようなキツいことを言ったり、失礼な質問を直接言われたり。それで嫌だなと思って日本に帰国して、派遣の仕事で工場で働いていました。

濱田:なるほど。それでもやっぱり日本語教師に戻ろうと思ったのはどうしてですか?

佐藤:色んな人に出会えるし、自分が教えることで相手から教わることも沢山あるからかな。あと、派遣でやっていた工場の仕事というのは、最初の1週間で仕事を全部覚えたら、後は惰性で仕事を続けるんだよね。でも日本語の教師は飽きない。常に勉強し続けなきゃいけないからね。

伊藤:そうだね、私もそう。私はこれまで編集の仕事をやったり海外に行ったりしたけど、やって満足することってあるよね。でもそういう仕事って一生は続かない。私が日本語教師を続けているのは、もちろん楽しくて遣り甲斐があるというのもあるけど、常に100%満足することができないというのも大きい。編集の仕事も海外生活もやりたいことは全部つぶしていって、日本語教師をやってみたらなかなか満足できなくて。「こうすれば良かった」とか「なんで出来なかったんだろう」って、常に不満が残るんだよね。先生が言ったように、常に何かを学ばなくてはいけなくて、ずっと完成しない。だからこそ続けられているのかも。

「やりたくないことは、やらない」

濱田:なるほど。お二人とも経験してきたことは違うけど、その時その時の自分の気持ちを大切に行動するという点では共通していらっしゃるんですね。ちなみにお二人はこの仕事をするうえでこだわっていることはありますか?

佐藤:「流れ任せる」ことかな。でもそれってこだわってないってことか(笑)。なんですかね。あとは、「やりたくないことは、やらない」とかですかね。仕事はちゃんとしているけどね(笑)

濱田:なるほど。「やりたくないことは、やらない」ですか!

伊藤:なんだろう。佐藤先生って何か持っているよね。仕事は早いし、決断するのも早くて。1つの物事にあまり執着しないと言えばいいのかな。

佐藤:確かに執着はしないね。例えば仕事のやり方1つとっても、今までと同じやり方でちゃんとやらないきゃいけないと思うと面倒くさいから、やり方を自分でアレンジしてちゃちゃっとやったってみたり。執着しないで自分のやりやすいように変えていけば楽しいしね。

伊藤:そうそう、あと佐藤先生は人に仕事を頼むのがすごく上手なんだよね。自分がやる部分と人に任せられる部分をきちっと把握しているという感じ。自分のキャパシティーを見極めて人に頼るというのは、実はすごく大切な能力なんだよね。頼られた方も嬉しいしね。

佐藤:そうだね。でもこれは仕事においてというより、人生においてのこだわりかもしれない。自分のキャパシティー以外のことで、他の人がやった方が上手くいくことは頼んじゃう(笑)。

濱田:佐藤先生は困難に真正面からぶつかって、壁を切り砕いていくというよりは、良い意味で上手くかわしていくという感じですね。私は逆に真正面にぶつかっていって、砕け散るタイプなのでうらやましいです(笑)。

佐藤:でも、その不器用っぽい感じが魅力なんじゃないかな。だからこそ周りのみんながサポートしてくれるじゃない。人それぞれ持っている魅力が違うからね。

濱田:そうかもしれないです。正面にぶつかって行って、砕け散ったのを周りが拾い集めてくれる感じ。今日はお二人のインタビューなのに自分の行動パターンが見えました(笑)。


Previous Article
Next Article

4 Comments

  1. アバター
    zamuri zainal 2011年11月25日

    僕の先生だ!!!

    返信
  2. アバター
    イリヤス 2011年11月25日

    僕の先生だああ~!!!!すげやろう~!!!

    返信
  3. アバター
    Richard_lee67 2011年11月25日

    佐藤先生最高!!ピピっと(^-^)/

    返信
  4. アバター
    Yukie 2012年8月30日

    聖子さんだ!

    返信

Leave a Comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *