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竹中弥生さん

濱田 真里
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専門学校を卒業後、北海道、沖縄、東京で仕事をしながらバックパッカーとして世界を周る。その旅の途中、ラオスの伝統織物に魅せられて移住を決意、そこで1年間を過ごす。現在はカンボジアのシェムリアップにあるIKTTの説明販売スタッフをしながら伝統織物を勉強中。

「『海外だから、日本だから』という意識は全くない」


濱田:竹中さんは今カンボジアにいらっしゃいますが、その前はラオスにいらっしゃったんですよね?

竹中:はい、カンボジアに来る前は伝統産業の織物に魅せられて、ラオス北部の村などで1年ほど暮らしていました。ここに来たのは 「カンボジアにも素晴らしい布を作っている日本人がいる」って知り合いに紹介されて、気分転換に遊びに来たのがきっかけなんですよ。そしたら「ちょうど日本人スタッフがいないので手伝いませんか?」という話になって。私はずっとラオスに住み続けるつもりだったので、はじめは短期のお手伝いのつもりだったのだけど、気付いたら1年も経っていました(笑)。

濱田:そもそもどうしてラオスに住もうと思ったんですか?

竹中:長かった旅を終え、東京で働いていた時にふと突然ラオスに行こうと思いついて、次の休暇で初めてラオスに来たのですが、その時に「私はこの国に住むんだな」と一瞬で分かったんです。それから日本に戻って準備をして、東京の仕事をやり切った、と思った時に実際に移住してしまったというわけ(笑)。

濱田:直感ですね(笑)。その時は日本を出るということに対して抵抗はなかったんですか?

竹中:それは全くありませんでした。そもそも「海外だから、日本だから」という意識は初めからなくて、「どこでも行きたいところに行く」という感じ。だから逆に日本を出たいとも、出たくないとも思っていなくて。ただ、「私が生きられる場所はどこだろう」という思いは10代の頃からずっと持っていました。それで実際に旅に出てみたら、「私は日本より海外にいる方が合っている」という感覚が強かったんですよね。あの頃はまさか自分が将来ラオスに移住して、その後カンボジアで働くことになるなんて想像もしていませんでしたけど(笑)。

濱田:これまで海外で働く女性のお話を沢山伺いましたが、竹中さんをはじめ自分の直感や感覚を信じて行動されている方が多い気がします。

竹中:確かに海外に出てから出来た友人は、そういうタイプの人が多いかもしれない。計画があってここに来たというよりは、何かしていたらここに来ちゃった、みたいな(笑)。でもそれは人の性格によりますよね。私みたいに計画というよりも、一日一日を一生懸命過ごしていれば明日は来るという人もいれば、大きな目標に向けてこそ力を発揮出来るという人もいる。大切なのは、自分がどっちのタイプなのか自分自身にちゃんと聞いてあげることですよね。それを間違っちゃうと、自分で選んだはずなのに苦しい、といった状況になってしまうかもしれません。

「これから先どこで何をしていたとしても、私は私」


濱田:海外経験が豊富な竹中さんですが、海外に出てから変わったと思うことはありますか?

竹中:ここに来たから変わったというものはないですね。むしろ、自分の中に絶対に変わらない部分があって、どこで何をしていても「私は私なんだ」ということに最近気付きました。

濱田:竹中さんの変わらない部分って何ですか?

竹中:それはいつも何かに夢中でいることかな。これまで本気でスノーボードをしたり、旅をしたり、東京で営業の仕事をしたり、ラオスで織物を追いかけたり、カンボジアで販売の仕事をしたり…それぞれ別の世界で別のことをやってきました。でも、常にその時のMAXの力を出して「何かに打ち込む」という部分は変わらないというか。それはどこで何をしていても、変わらず自分の中に脈々と続いていく根っこのようなものですかね。

濱田:それが竹中さんの人生の軸になっているのかもしれないですね。

竹中:確かにそうかもしれません。私は一生カンボジアにいるつもりはないし、だからといってこれから先どうなるのかも分からない。だけどこの先の私も今の私と同じ根っこを持っているのだから、何が起こっても大丈夫。だからこそ、私は今ここで毎日を過ごしていけることが幸せだし、とても楽しいと思えるのでしょうね。

濱田:竹中さんの仰っていることが私にも少し分かるような気がします。どこで何をしていても、常に一生懸命頑張っていれば何とかなるんですよね。

竹中:私もこれまで沢山の人に出会って色んな話をしてきて、最近やっとこのことに気づいたのだけど、今ここで自分の出来ることを精一杯やっていれば、次に進むべきステージは自ずと見えてくるものなんだと思います。ラオスに移住したり、カンボジアで働いたり、10年前の私には想像できないことが沢山ありました。でも、どれも計画してここまで来たわけではなくて、その時その時を一生懸命過ごして来ただけなんですよね。

「周りの目とか社会の常識を気にするのではなく、まずやってみること」


濱田:竹中さんのように、直感や感覚を信じてブレずに生きるってなかなか難しいことですよね。

竹中:でもそれは30歳を過ぎてからだと思いますよ。前に友達に「ブレなくなったんだよね」と言ったら、「それは年を取って図々しくなった証拠だよ」って言われたことがあって(笑)。だけどよく考えると、確かにそうなのね。年を取って、自分の判断で行動して、その結果どうなろうと、自分で自分の責任を取れるようになった。そうすると物事がとってもシンプルになって、生きやすくなるんですよ。だって人に何と言われようが、自分でしたことに対して自分が責任を取れば、それで済むことでしょ。だから年を取ると、図々しくなって、いつの間にかブレずに生きていくことができるようになるのだと思います。扱いにくくはなるかと思いますが(笑)。

濱田:最後に日本の若者に向けて、メッセージをお願いします。

竹中:もしあなたが何か「やってみたい」と思うことがあるのなら、やってみたら良いと思います。日本にいると周りの目とか社会の常識が気になって、悩んだり迷ったりすることもあるだろうけど、まずはやってみることですね。大切なのは、そう思った時に一歩踏み出す勇気を持つこと。それに、一歩踏み出すのは孤独で怖いことかもしれないけど、頑張っていれば必ず誰かが助けてくれるし、自分は一人じゃないんだと実感できると思います。だからみなさんも一歩踏み出す勇気を持って、楽しい人生を送って下さい。


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