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小野澤遼子さん

濱田 真里
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大学卒業後旅行会社に入社。3年勤めた後、TNKトラベルJAPANホーチミンに転職。

「もう、辞めるしかないと思った」

濱田:小野澤さんは大学を卒業されてからすぐベトナムにいらっしゃったんですか?

小野澤:いえ、新卒で日本の旅行会社に就職して働いていました。海外に出ようと思ったのは、日本から海外に人を送る仕事をするうちに今度は自分が現地に行って日本から来る観光客を受け入れる仕事をやってみたいと思ったから。3年間日本の会社で働いて基礎を固めた後に、海外に出ることにしました。

濱田:海外で働きたいという思いはいつ頃から持っていたんですか?

小野澤:入社当初から、いずれは海外で…という思いを持っていました。元々旅行が好きだったので、海外に出たいという思いが人一倍強かったんだと思います。当時働いていた会社にも海外勤務の希望を出していたくらい。それが働き始めて2年くらい経った頃、「ある程度年齢がいった男性じゃないと海外勤務は厳しい」と言われて。その時に「もう、辞めるしかない」と思いましたね。だから入社して2年目の夏には会社の休みを使ってベトナムに来て、私が今働いている旅行会社に飛び込み面接をお願いしたんです。結局そこで内定を頂いて働くことになって、日本の旅行会社を辞めました。

濱田:会社を辞める前に現地に飛び込まれたんですね。

小野澤:海外勤務が難しいと分かった時点で辞めることも出来たけど、私はある程度次に何をするかという道筋をつけてから辞めたかったんです。保険を作るわけじゃないけど、何も決まらないうちにただ辞める、というのはなんだか筋が違う気がして。

濱田:それにしても、入社3年目で会社を辞めるということに周りの人は反対しませんでしたか?

小野澤:それは大変でした。特に親は反対しましたよ。一度相談して反対されたので、その後は先に会社に辞表を提出して後に戻れない状況を無理矢理作りました。一度決めたら突っ走るタイプなんですよ、私(笑)。

「日本で働いた経験はベトナムでも役に立っているけど、もう少し早く来れば良かったと思うこともある」

濱田:海外で働くという長年の夢をまさに今、叶えていらっしゃるんですね。

小野澤:そうですね。海外に出たいと思っても実際はチャンスがなかったり、タイミングがなかったりして、なかなか出られない人の方が多いと思うんです。だから海外に出られただけでも私は幸せだと思っています。

濱田:でもいくら夢だったとはいえ、海外で働くことに不安はありませんでしたか?

小野澤:それはありませんでした。それよりも、こちらに来てからの方が悩みは大きいですね。ベトナムに来て1年、今年で28歳になりますが、これまで生きてきたなかで今が一番苦しい時期かもしれない。

濱田:なぜでしょうか?

小野澤:やっぱりこの年になると年齢が気になります。結婚のことはもちろん、これからの人生のこととか色々なことを考えてしまって。これまではただ突っ走るだけだったけど、ふと踏み留まってそういうことを考えてしまうんですよね。日本の大学を卒業して、すぐこちらに来たような若い子たちと働いているから尚更そう感じるのかもしれないけど、勢いが違うなぁ、と思います。日本で働いた経験はベトナムでも役に立っているけど、正直私ももう少し早く来れば良かった…と思うことがあります。

濱田:28歳もまだまだ若いと思うのですが…。

小野澤:23、4歳の頃って、何でも出来ると思うんです。例え失敗したとしても、また25、6歳で立ち直れるから。でも28歳にもなると自分がこの先何をしていくのか、ある程度的を絞っていかなきゃいけないと思い始めるんです。この時期をどう過ごすかで今後の人生が決まるというか。そういう焦りがあって。

濱田:でもそれは逆に、小澤さんが現状にとどまらず着実に次のステージを見据えている証拠なのではないでしょうか。

小野澤:次のステージとしては、私はずっとベトナムにいるつもりはないし、旅行の仕事にこだわっているわけでもないので、自分が「これだ!」と思えるような何かに出会いたいですね。でも、自分に何が出来るかというと手に職があるわけでもないし。だから今はその、自分にとっての「何か」を必死に探しているところです。

「『これが私です』とありのままの自分に自信を持てる人になりたい」

濱田:小野澤さんにとっての「何か」が早く見つかると良いですね。

小野澤:そうですね。でも、そういうのって焦ったり力んでいる時よりも、ふと力が抜けた時に見つかったりする気がします。だから今はこうして悩んでいますけど、多分何とかなるんです。今までもそうでしたから(笑)。

濱田:なるほど。こちらで働くことで変わったことはありますか?

小野澤:私は日本で仕事をしていた頃は、「女性だから」という言葉で片付けられるのがすごく嫌で、男性と張り合うようにして仕事をしてきました。でも、それは違う。「女性だからこそ」出来る働き方があると今は思っています。男性と同等に働くというのもありだけど、それよりも女性ならではの視点や心遣いを誇りにやっていきたいですね。ちなみに私は結婚しても仕事を続けていくつもりでいます。結婚しても自分のペースで続けていけるだけの「何か」を見つけて、仕事にしたいですね。

濱田:最後に、今後取り組んでいきたいことについて教えてください。

小野澤:今後のことは特にまだ決まっていないけど、まずはベトナムで自分が「これだ!」と思える何かを見つけられればと思います。それを日本に持ち帰って自分で何か仕事に出来たら理想ですね。それと、これからはもう少し落ち着いて、自分のペースで働けるようになりたい。私は負けず嫌いなのもあって、これまで本当にがむしゃらに仕事をしてきたんです。もちろん負けたくない気持ちも大事だけど、これからは誰かを追い抜きたいとか、一番になりたいと思うのではなくて、「これが私です」とありのままの自分に自信を持てる人になりたいと思います。


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