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森山真祐子さん

濱田 真里
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明治大学情報コミュニケーション学部卒業。「カンボジア クロマーマガジン」インターンを経て、現在フリーランス。パッケージデザイン、ウェブページ制作、マーケティングを行うほか、「クロマーヤマトゲストハウス」共同オーナー、ジャズ演奏家としても活動している。

「自分が小さい世界で悩んでいたということに気付いた」

濱田:森山さんは新卒でカンボジアにいらっしゃったということですが、それ以前にこちらに来たことはあったのでしょうか?

森山:いえ、一度もありませんでした。大学を卒業するまでほとんど海外に出たことはなく、とにかく大学が好きで、学生時代は出来るだけ学校から離れたくなかったんです。

濱田:そんな森山さんがカンボジアにいらっしゃったのは何故ですか?

森山:海外で働こうと情報収集をしていた時に、たまたま現地で日本語のフリーペーパーを発行している会社のインターン募集情報を見つけたからです。学生時代にフリーペーパーを作るサークルで活動していた経験があったし、英語が得意でない私が海外で働くにはこれしかない!と思ったんですよね。それで応募したら採用していただけて、大学を卒業してすぐに現地に渡りインターンとして働き始めました。

濱田:新卒で海外に出るというのはかなりの勇気がいると思うのですが、日本で就職することは考えなかったんですか?

森山:実はもともと日本で就職するつもりでした。海外で暮らしたいなんて少しも思っていなかったですね。ただ、自分がいわゆる会社員として真面目に働いている様子がどうしてもイメージできなかったので、ちょっと変わった面白そうな会社ばかり選んで受けていました。でも全然就職先が決まらなくて…そんな時に「システムエンジニアリングの会社なら採用人数が多いし、合ってるんじゃないか。」とアドバイスを頂くことがあって受けてみたら本当に内定を頂いてしまって。その結果に納得したつもりだったのですが、卒業が近づくにつれて「就職活動もままならなかった私に、やっぱり正社員はムリかもしれない。」という思いがふつふつと湧いてきて。それで折角頂いた内定を蹴ってしまったんです。

濱田:そういう思いを持ったとしても、実際に行動に移せる人はなかなかいないと思うのですが、森山さんがその時一歩踏み出せたのには何か理由があったのでしょうか?

森山:実は就職活動をしている最中に、当時付き合っていた彼と別れちゃったんです。それでクリスマスの予定がなかったので、とにかく何か予定を入れようと東京近郊の山に登りました。そしたら、その時に眼下に広がる東京の夜景がすごく小さく見えて、就職活動だとか、彼との別れだとか、私の悩みを生み出している世界ってこんなに狭かったのか!って思えてきて。そこでもっと広くて新しい世界、折角なら海外に行ってみようと考えました。

濱田:そしてたまたまインターン情報を見つけてこちらに来た、と。

森山:そう。だから正直、仕事があればどこでも良かったんです。今私がここにいるのは、あの時見つけたのがたまたまカンボジアの求人だったからなんです。

「ニーズというのは現地に来て初めて分かるもの」

濱田:フリーペーパーを発行している会社のインターンとしてカンボジアにいらっしゃった森山さんが、フリーランスのウェブデザイナーとして活動されるようになった経緯を教えてください。

森山:こちらで生活するうちに、ウェブ制作に対する需要が想像以上に高いことに気づいたんです。日本ではブログやホームページを作ることなんて当たり前のことだけど、カンボジアではそうじゃない。だから本当は面白い取り組みをしている日本人が現地には沢山いるのに、それを発信する術が限られてしまっていてもったいないと思ったんですよね。

濱田:なるほど。ちなみにITの分野にはもともと関心をお持ちだったんですか?

森山:小さい頃から興味があって、ウェブページを作ったりしたことはありました。でも趣味レベルの話で、それで生計を立てようと思ったことはありませんでしたね。だけどカンボジアに来て思わぬニーズの高さを知って、これを仕事にしたら面白いかもと思ったんです。現地で本当に必要とされているものというのは、実際に現地に足を運んでみないと分からないものですね。

濱田:海外でフリーランスとして働くことに不安はなかったんですか?

森山:もちろん今でも不安です。ただ、こちらではウェブ制作を依頼してくださる方がたくさんいるので、「私がやらなきゃ!」ということをずっと励みにしてきました。そもそもは一旦日本できちんと技術の勉強をして、実務経験も積んで、チャンスがあれば「いつかフリーランスとしてカンボジアで…。」と思っていたのでまさかこんなに早く現地で仕事をすることになるなんて思っていませんでしたね。

濱田:インターンの後すぐにフリーランスになったのですか?

森山:いえ、こちらで仕事をするのはもっと先のつもりだったので、実はインターンを終えた後、一旦日本に帰りました。でもインターン時代にやっていたジャズバンドの仲間に会うために、一年に一度くらいカンボジアに通おうと計画していたんです。そうしたら、インターンをしていた頃に知り合った方から「早く仕事を頼みたいから戻ってこい。」と言って頂けて。楽しかったカンボジアの暮らしと、現地で頑張っている日本人在住者のことを思い出したらどうしても戻りたくなってしまって、気付いたら勢いでこちらに戻ることを決めていました。

「大切なのは、自分が納得出来るかどうか」

濱田:気付いたらカンボジアに定住…人生は何が起こるか分からないものですね。

森山:本当にそう思いますよ。私の場合、元から計画を立ててそれ通りにやっていくというタイプではないから特にそうなのかもしれません。大学を卒業した時の私は、2年後の自分がカンボジアでウェブデザイナーとして働いているなんて全く想像していなかったですからね。でも、私は自分の選択に満足しています。海外に出たからこそ学べたことが沢山あったし、何より会社に就職しなくても生きていけるということに気付けたのは大きいですね。日本で働いていただけでは、なかなかそんな風に考えられないと思います。

濱田:大学を卒業され、カンボジアで働くということ以外にも会社に就職したり、日本でウェブデザイナーとして働いたり、様々な選択肢があったと思います。その中で森山さんがこれまで満足だと思える道を選んでこられた秘訣は何ですか?

森山:秘訣というか、自分のことはいつも自分で決めただけです。妥協しない、というかわがままなんですよ、私(笑)。勿論内定を頂いた会社に就職するという選択肢もあったけど、どうしても自分に合っていない気がして、耐えられなくなりそうだと思ってしまった。選んだ別の道の方がもっと大変だったとしても、選んだのは自分なので、あとは自分が満足できるように頑張るだけです。

濱田:最後に、これから海外への一歩を踏みだそうとしている若者に向けてメッセージをお願いします。

森山:カンボジアで働いていると言うと、「すごいですね」とか「勇気がありますね」と言われることがあるけど、全然そんなことないんですよね。大学が大好きで学生生活が全てだった私にとっては、会社に就職するのも海外で働くのもゼロからのスタートで、どちらを取っても大した違いはなかった。どうせ全てを捨てて新しい世界に行くなら海外に行ってみようと思っただけのことなんです。現地につてがあったわけでも特別な技術があったわけでもなくて、ただこちらに来ただけだったけれど、そんな私でも周りの人たちの助けでここまでやってこれました。だから皆さんも是非その一歩を踏み出してみたら良いと思います。


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9 Comments

  1. アバター
    Mayuko Moriyama 2012年5月27日

    インタビューありがとうございました!自分の発言が記事になるのって、なんかヘンなかんじですね〜太字のチョイスもばっちりだし!なでしこVoiceに載ることができてとってもうれしいです 😀

    返信
    1. アバター
      はままり 2012年5月28日

      こちらこそ、取材をさせて頂き誠にありがとうございます!またカンボジアで森山さんにお会い出来ることを楽しみにしております。ドゥラペでまたアイス食べたいです。もし一緒にビジネスなど出来たら面白そうですね!これからも宜しくお願い致します:)

      返信
  2. アバター

    森山ちゃん、お久しぶり。
    久しぶりに森山ちゃんの言葉を読んで、
    なんかポンっと背中を押されたような気がした。
    いつもありがとう。
    自分で選んだ道なら頑張れるよねっ、がんばる。

    返信
    1. アバター
      Mayuko Moriyama 2012年6月4日

      まきんぐー!もう1年くらい会ってないね、そりゃそうかカンボジア来てないもんね!笑い。またまきんぐとお話したいなあ。

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  3. アバター
    Tetuhiro Sano 2012年6月2日

    森山さん、初めまして、クロマーマガジン、ゲストハウスでいただいて、読みました。
    カンボジアのガイドブックとしてわかりやすくて、旅行前にチェックしていなかった所も観る事ができました。カンボジアの現状なども知る事ができて、もう少し滞在したくなりました。(苦笑)
    これからも、他のメディアでは紹介できないカンボジアの魅力を日本の方々へ発信してください。
    ありがとうございました。

    返信
    1. アバター
      Mayuko Moriyama 2012年6月4日

      さのさん、ありがとうございます!佐野さんがヤマトにいらした頃って、わたし相当ぐったりしてたような…。(にがわらい)マガジンが役に立ってよかったです!が、やはりヤマトのお客さんの情報はすごいです。お客さん同士でやりとりしていただいてるので本当にたすかっています。また懲りずにきてください!

      返信

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