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西尾亜希子さん

濱田 真里
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「今、やりたいことを大事にしている」

濱田:ところで先生は結婚願望ありますか?

西尾:したいですね。別に何人がいいとか、そういうのはないんだけど、日本語でコミュニケーションが取れたらいいなと思う。マレー語はタクシーの運転手と話せるくらいだし、英語も仕事で少し使うくらいだからね。でも今は特に何歳までに結婚したいというのはないかな。

濱田:なるほど。女性にとって仕事と結婚は切り離せない問題ですよね。だからこそ、家庭を持つ幸せを優先しようとして、仕事を諦めたり、本当は海外に行きたいけど挑戦できずにいたりする女性が沢山いると思います。

西尾:家庭に入るのが幸せだと思うならそれはそれでいいけど、やりたいことがあるのに、海外に行きたいのに、それを諦めるというのはもったいないよね。AtoZで働いている先生も20代、30代の女性が多いけど、ほとんどみんな独身。みんな結婚したい気持ちもあるだろうけど、それより今やりたいことを大事にしているよね。日本語教師の仕事は特にお給料が高いわけじゃないし、やっぱりやり甲斐とか経験なんだと思う。

「好きなことを、好きというのが大事」

濱田:どの職業の方もそうだと思いますが、日本語教師の方って本当に仕事を愛されている方が多いなぁと思います。

西尾:だって好きじゃないとやっていけないもん(笑)。お金とかじゃなくて日本語教師という仕事に取りつかれているんじゃないかな。日本語教師ってすごくいい仕事なんだよね。

濱田:昨日も日本語教師をされている方にインタビューしたのですが、同じことを仰っていました!日本語教師という仕事のどんなところが魅力なんですか?

西尾:やり甲斐と面白さかな。日本語をゼロから始めた人が半年後、1年後にちょっとずつ喋れるようになっていくのを見るのは本当に感動する。誰かの将来の選択肢を増やすのにちょっとでも関われるということは、自己満足かもしれないけどすごく嬉しいことで、やり甲斐とか面白さがあるのね。後は授業では生徒に本当に笑わせてもらうし、純粋に楽しい。

濱田:先生のように本当にやりたい仕事や天職に就くことが出来たら幸せですが、自分のやりたいことや軸が分からずに悩む人が沢山いると思います。

西尾:まずは、フットワークを軽くすることが大事。外に出ないと結局何も繋がらないし。ちょっと面白そうと思ったら首を突っ込む。色んな人に出会って、話すことで繋がっていくから。あとは、好きなことを好きと言うのが大事。発信し続けていればチャンスはやってくる。例えば自分の仕事が海外とは関係のない仕事だったとしても、上司とか周りの人に「海外が好きなんだ」とか「東南アジアが好きなんだ」とか話をしておけば、何かの拍子に海外の仕事の話がポンッと出てきた時に「そういえば、海外が好きって言ってたよな」って思い出してもらえて、新しい仕事に繋がったりするじゃない。そういう種まきって大切だよね。

濱田:色んな人と話をして刺激を受けて、自分の本当にやりたいことや軸を模索するのは大事なことですよね。でももし本当にやりたいことを見つけることができても、それをやるかやらないかってまた別物なような気がします。特に実際に就職活動を始めると、挑戦するより安定を求めて諦めてしまう人もいるんじゃないでしょうか。

西尾:日本は豊か過ぎて、物がちゃんとある状態というのが普通だから、それがなくなっちゃうのが怖いんだろうね。本当は大体なくても大丈夫なんだけど、そんなにシンプルな生活をしたことがないから想像できない。だから怖いし、生きていけないと思っちゃうけど、実際ない状態に1回なってみたら案外大丈夫なんだということが分かると思うんだよね。それさえ分かっちゃえば、人生の選択も変わるかもしれない。本当に仕事がなければアルバイトでも生きていけるし、何だって出来るわけで、本当に何もないわけじゃないでしょ。たぶん「こうじゃなきゃだめ」っていうのが多すぎて、それが手に入れられなかった時にガクッってなっちゃうんだろうね。

「どこに行っても日本語を教える仕事をしたい」

濱田:先生がお仕事をするうえで、目標にしていることは何ですか?

西尾:目標は1人でも多くのマレーシア人に、日本のことを知ってもらって、日本語を習いたいという人を増やすこと。それと1人でも多くの日本人にマレーシアのことを好きになってもらいたい。2つの国の橋渡しみたいなことができたらいいなと思っていて、学校の店舗数を増やして、規模を大きくしていくのは、それを実現する1つの手段だと思ってます。

濱田:今後もマレーシアでお仕事を続けられるんですか?

西尾:そうだね。今、日本に帰るかと聞かれたら、帰らない。でも日本語学校の経営は、一応あと3年で辞めるって宣言していて。今は私自身の待遇も全然良くないし、改善しなきゃいけない部分が沢山あって、辞めたくても辞められない状態なのね。だから3年後までに「やりたい!」という人が出てくるくらい、いい感じの学校にしたい。3年後、本当に誰か他にやりたい人が出てきて、その人にお願いすることになるのか、「やっぱりここでやりたい!」と思って続けるのかどうかは分からないけど、とにかく「辞められる状態にまで持っていく」というのが1つの目標かな。

濱田:3年後に辞めるというのは、その後他に何かやりたいことがあるからではないのですか?

西尾:そういうわけではないです。「辞められないから辞めない」というのはあまりにもネガティブだと思うのね。だから「辞められるけど、辞めない」になるのか「辞められるから、辞める」になるのかは分からないけど、そういう風に言える状態にまで持っていきたい。ただ、今の日本語学校の経営を辞める、辞めないに関わらず、私は日本語教師を続けます。どこに行っても日本語を教える仕事をしたいと思っています。

濱田:先生は今自分がここでやるべきこと、やりたいことに本気で取り組まれている気がします。私も今目の前にある「なでしこVOICE」に全力で向き合って活動していきたいです。またマレーシアに来ます!ありがとうございました!


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