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白石智子さん

濱田 真里
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1967年福岡県北九州生まれ。福岡大学人文学部卒業後、千駄ヶ谷日本語教育研究所で日本語教師の資格を取得。日本語教師としてジャマイカ、その後ベトナムへ来る。ベトナム在住10年目。                                              

「このまま働いていていいのだろうか?という思いはずっとあった」

濱田:白石さんのお仕事について教えて下さい。

白石:今は日系の旅行会社で働いています。でも、今の会社に転職するまではずっと日本語教師をしていたんですよ。

濱田:日本語教師の方は海外志向が強い印象があるのですが、白石さんもそうだったんですか?

白石:そうですね。大学では英語を専攻していたし、卒業後も英語の勉強だけはずっと続けていたので「いつか海外に…」という思いはありました。でも、学生の頃はただ漠然と考えていただけ。具体的に海外に行きたいと思いはじめたのは就職してからですね。

濱田:大学卒業後は一旦就職されていたんですね。でも、その仕事を辞めてまで海外で日本語教師になりたいと思ったのはなぜですか?

白石:私が就職活動をしたのはまさにバブルの絶頂期でした。だからあまり深く考えないで就職しちゃったんです。自分の方向性なんて決めていなかったし、受けたら受かっちゃったから入ったという感じ(笑)。だからこのままここで働いていていいのだろうか?という思いは常に持っていました。そんな時、インド人の友人が流暢に日本語を喋るから、どこで勉強したのか聞いてみたら日本語学校で習ったって言うんですね。それで「全く日本語を喋れなかった人がこんなに喋れるようになるなんてすごい!」と思って日本語教師に関心を持ち、養成講座を受けてみることにしたんです。

濱田:なるほど。会社を辞めることに不安はなかったんですか?

白石:いつかはこういう時が来るかもしれないと思って貯蓄はしていたので、金銭面での不安は少なかったです。あと、親が「好きなことをしなさい。もし失敗したら戻ってきなさい」と言ってくれていたので、何かあっても戻る場所があるという安心感あったのは大きかったです。

「次の1年も変わらないと思うと、別の場所に移りたくなる」

濱田:日本語教師になった後、どのようなきっかけで実際に海外に出られたんですか?

白石:日本語教師になって半年くらい国内の日本語学校で働いていたんですが、その仕事が忙しすぎて体を壊してしまったことがきっかけです。このまま働き続けていたら体が持たない!どこかに逃げなきゃ!と思って海外の求人を探しはじめたんです。その時にたまたま見つけたジャマイカの求人にピンと来て、2年間そこで日本語教師として働きました。

濱田:何でジャマイカに関心が沸いたんでしょうか?

白石:なんでだろう。行ったことすらない国だったのにね(笑)。レゲエが好きだったし、日本人があまりいなくて面白そうだったからかな。知らない国に行くことにそこまで強い不安は感じていなかったですね。あまり神経質な方ではなかったし、旅行で他の国に行った時も問題はなかったから大丈夫かな、みたいな(笑)。後はもともと楽天的なところがあるのかもしれない。自分には悪いことなんて起こらないという変な自信があるんです。

濱田:実際に働かれてみてどうでしたか?

白石:面白かったですよ。日本語教師として採用されたといっても、初めから学校があったわけではなく一から自分で教室を立ち上げたので、すごくいい経験になりました。

濱田:立ち上げからされたんですね!ちなみに2年間働かれたということですが、もっと長くいることは考えなかったんですか?

白石:それはあまり考えませんでした。というのも、ジャマイカにいることに飽きてしまったんです(笑)。仕事は面白かったけどそもそも日本語の需要が少なかったし、町自体が小さくて遊ぶところといったら海くらい。それで日本に帰ったんだけど、実家のある北九州は日本語教師の働き口が少なかったので、ベトナムに行くまでの4年間は日本語教師とは関係のない派遣の仕事をしていました。パソコンを学んだりすることが出来たのでそれはそれでいい経験でしたね。

濱田:新卒で就職してからジャマイカ、派遣、ベトナム…と本当に波乱万丈な人生ですね。

白石:それは私が好奇心旺盛な反面、飽きっぽい性格だからだと思います(笑)。どんなに面白い仕事でも同じことの繰り返しで、次の1年もそんなに変わらないことが見えてしまうと別の場所に移りたくなっちゃうんですよね。だから飽きがこないことは私にとって大切なポイント。ベトナムは私にとって長くいられる、ずっと楽しませてくれる国ですね。

「やって無駄になることは一つもないから何でも挑戦する姿勢は大切」

濱田:ところで派遣のお仕事をされていた白石さんが、また海外に出ようと思われたきっかけは何だったんですか?

白石:きっかけは派遣先の事務所が遠くに移転することが決まったこと。ちょうど派遣の仕事にも飽きてきた頃だったし、このチャンスに行こうと思ったんです。

濱田:なるほど。ちなみにどうしてベトナムだったんですか?

白石:それはジャマイカと同じ理由。求人を見てこれだ!と思ったの。言葉で説明するのは難しいけど、何かピンと来るものがあるんですよね。

濱田:まさに直感ですね。
白石:そうですね。自分の方向性をばしっと決めて進む人もいるけれど、私の場合どちらかと言うと流れには逆らわないというのを意識しているので。

濱田:海外で働く女性にはそういう方が多い気がします。その時の思いとか出会いとか、色々なタイミングが重なってそれに従った結果、皆さん今の姿になっているんですよね。

白石:確かにタイミングというのは大切だと思います。どんなに海外で働きたいと思ってもそのタイミングじゃない時は全然前に進まないんですよ。でも、タイミングが合っていざ動き始めると面白いようにぽんぽんぽんと話が前に進んでいく。本当に行くべき時って、そうやって色んなタイミング噛み合うものなんだと思います。鍵って、こじ開けようとしても無理な時は無理なんですよね。でも、物事が動かない時もそれはそれで大切な準備期間。そこで頑張るからこそ、進むべき時にちゃんと前に進めるというか。だから動かないからといって何もやらなくていいというわけではないんですよね。やって無駄になることは一つもないから何でも挑戦する姿勢は大切だと思います。


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